子ども達はどんな夢を見る?:小学校エアコン設置論に絡めて

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子ども達はどんな夢を見る?:小学校エアコン設置論に絡めて

凛童舎ブログ

2018/08/10 子ども達はどんな夢を見る?:小学校エアコン設置論に絡めて

私の周囲で、千葉市の学校へのエアコン設置に関しす政治集会が立て続けに2件あるようで、いずれにも、学童クラブ運営従事中のため、私自身は出席でないこともあり、私の考えを事前に述べさせていただければと思いました。議論の参考にしていただければ幸いです。
基本的には「本当にエアコン設置が最善か?」という懐疑論です。

多くの政治主導施策では、資金を投入し「力技」で解決しその成果を誇るというパターンを見せられてきました。しかし、それらは、いつも対処療法的であるのに金のかかる話ばかり。しかし、今後は人口減少社会。そこでかかった金を財政赤字として負担するのは子ども達なのだという視点が欠けているように感じてきました。
例えば、将来の子ども達のためだと銘打って、始めたことが、将来逆に子ども達の首を絞めないか、そういう視点で、よく工夫されたものというのは極めて少なかったように思います。
 
事例で言えば、100年に一度の津波のために、海辺の町を堤防で囲ってしまった施策。確かに安全にはなったかもしれませんが、その海の見えない海辺の町に未来はあるでしょうか?この町に子ども達はどんな原風景を見て愛着を抱くのでしょうか?まさに「力技で対処療法的に」の最悪事例です。
なので、こんなことにならないように軽々に学校施設へのエアコンを唯一無二の策と考えるのには反対です。 「暑いから資金とエネルギーを投入して力技で解決する」というのでは視野が狭すぎると思うのです。
  もっと慎重にイニシャルコスト・ランニングコスト・将来のリニューアルコストを考え、総合的な費用対効果を考えてあげたいと思います。それも効果のなかには、「教育効果」も重要なファクターとして含めてです。子ども達のためなのですから。
視点1:子どもたちのタフネス:体育教育
まず、私自身が小学校へのエアコン設置を軽々に良いと思えないのは、直近の以下の実体験によるところが大きいです。
 
私の運営する学童クラブ「凛童舎」は7年間船橋市前原西の地で運営し、この4月に千葉市の幕張本郷に移ってきました。ゆえに私は、小学校にエアコンが設置してある船橋市の子ども達と、設置のない千葉市の子ども達の様子を比較する機会を得たわけです。そして感じるのは、明らかに千葉市の子ども達の方が「タフ」だということです。暑さをものともせず「外に行きたい!」というのです。これは学校がある期間、凛童舎では冷房を入れなかった(入れる機会がなかった)というのが大きいとも思います。凛童舎では熱中症計が厳重注意を指さなければ冷房を入れません。境界は概ね室温30℃湿度70%ぐらいです。
 
ところが、夏休みに入って 熱中症計が厳重注意を指す日が増え、冷房を入れることになると、こういう日に日永1日冷房の中にいた子の多くは、夕方、熱中症の危険がなくなってからも、促しても外に行こうとはしないのです。
 
今、教育界で「生きる力」をいかに子ども達につけるかが主題となっています。「タフさ」はこの生きる力の大きな構成要素です。
 
※ 「タフさ」 の必要性については、 『子ども達はどんな夢を見るのか?坂之上の雲から水平線の向こうの雲へ』 という視点で私はもう少し視野を広げてその必要性を考えているのですが、補足的内容になるので後半に論述します。
 
 
視点2:環境教育
 
一方、未来を担う子ども達にとって必須のテーマが、環境問題です。

直近のデータでは、世界中の人が日本人と同じ生活をするのに必要な地球の数は、2.9個 だそうです。= エコロジカル・フットプリント 問題
日本のエコロジカル・フットプリント 2017 最新版  :https://www.wwf.or.jp/activities/lib/lpr/20180825_lpr_2017jpn.pdf

下記は、ある夏、子ども達に話したこと(FB投稿より抜粋:https://www.facebook.com/yosioqa/posts/1595193813853838
 

「今もし、世界中の人が、日本人と同じ生活をしたら、地球が2.4個(その時点の数値)必要なんだって。でも今、地球が1個で足りているのはどうしてだと思う?」
「それはね。貧しい国の人たちが、地球を0.1個とか0.2個とかしか使わない生活をしているからなんだ。つまり、僕ら日本人は、そういう貧しい国の人たちの分まで地球を使っているんだよ。」
「でも今、貧しい国の人たちもどんどん豊かになってきて、日本人と同じような快適な暮らしがしたいって、エネルギー使ったりゴミたくさん出したりし始めている」
「それを、我々日本人は、『そんなのダメだ!』なんて言える?いえないよね?そんな権利ないよね?」
「でもこのまま放っておくと地球はどんどん壊れていく。異常気象で豪雨が降ったり、ものすごく寒かったり暑かったり、日照りが続いたり、マグロやうなぎが居なくなってきたりもそうことなんじゃないかって言われてる。本当はもうすでに地球1個じゃ足りていないんだって」
だからこれからは、地球のみんなで、あまりエネルギーを使わない生活に慣れていかなくちゃいけないんだ。いきなりは無理だけど少しずつ。だから、ちょっと暑いぐらいはガマンしようってこと。」

以上「子ども達のタフさを下げ、環境問題に逆行」この2点が私にちょっと待て、もっと別の方法はないのか?と思わせる2大要因です。
・・・・
よって、この施策について、本来あるべき多様な可能性を視野に入れて検討されているのか、しっかり検証できればと思います。
 
●解決へのアプローチ
1.まず理想状態とは何か?
2.これらを生み出すのはエアコン設置のみか?マイナス要素はないか?もっと広範な効果を生むものはないか?
3.もっとこの取組みそのものが子ども達への教育効果が高いという施策はないか?
 
生徒に関しては、①学習効率と環境教育といった教育面、②アトピー性皮膚炎や身体の発育への影響などの健康面、③エネルギー問題や環境問題といった環境面の3 つが主な視点と早大の研究論文に書かれていました。http://www.waseda.jp/sports/supoka/research/sotsuron2011/1K08B096.pdf
1.理想状態とは何か?
要するに、夏の暑い時期に子ども達が勉強に集中できること。ですね?
しかしその期間はどのぐらいあるのか?夏休み前と後の1ヶ月程度のうち特に暑い日のみだけだと、年間10日程度では?
そのためにエアコン設置。人工環境で子どもの体や心を弱くし、かつ環境教育に逆行する施策を学校そのものが打つマイナス要因もしょった上で?
もっと他にもメリットのある策が良いのでは?
もうひとつの疑問は、何のための夏休みか?ということ。
もしエアコンが付けば夏休みを設ける理由がなくなる。2020年の学習指導要領改定でますます学習時間が増え、高学年には7時間目ができると噂されています。夏休みがいらなくなれば、ますます子ども達のカリキュラム増加に拍車をかけ、子ども達のOFFタイムを侵食する方向に向かうのでは
2.別の方法はないのか?
本来的には、「今日は暑いから授業なんかやめて○○しよう!」と担任教師が言えるようなカリキュラムのゆとりと裁量権があればよいだけではと思います。そもそも、学校にエアコンという論議があるのは、暑い時期に休めない夏休みの短さが問題。欧米では、夏休みが2~3ヶ月あるのでこういう理由でのエアコン設置論は起きないそうです。
休めないまでも、暑い日は授業内容を変えるカリキュラムの弾力性こそ重要では?また、特別室(体育館、音楽室、家庭科室、理科室、視聴覚室、 図画工作教室、図書室)だけ冷房設備を設置し、今日は暑いから特別授業!と学年合同授業というの選択肢を作っておくぐらいの工夫があってもよいのでは?記憶とは印象の深さ×回数で決まると言います。イレギュラーは子ども達の印象に残る授業になるはず。
国語の時間として雑談の時間、算数パズル、科目自体への興味をそそる。好きな言葉を書いてよい習字の時間など。遊びの要素をいれ、楽しければ、子ども達は別の集中力を発揮するはずです。
・・・・
ただ、以上は夢物語にしか映らないかもしれないので、本題として、【物理的な降温効果】に絞って提案します。
学校は、災害時の避難所になります。万が一、ライフラインが絶たれても、快適性が保たれる工夫も重要です。電気・ガスが絶たれた場合エアコンは機能しないのですから。
①校庭芝生化
緑地を渡ってくる風は、冷たくなります。保水力のある地表は、常時打ち水効果を発揮します。また、子ども達が転んでも怪我せず、喜んで校庭で遊ぶという、大きな副産物も生みます
近隣にもメリット。強風時に近隣に迷惑な砂埃も防げます。近隣の気温を下げる効果も期待できます。
この芝生化。高価なイメージがありますが、鳥取方式なら年間維持費が約100円/㎡で、ほぼメンテナンスフリーだそうです。

鳥取方式とは:http://www.greensportstottori.org/subpage/tottori.html
芝生で変わる5つの事:https://tottoristyle-shibafu.org/change/
ここがすごい鳥取方式:https://tottoristyle-shibafu.org/sugoi/
朝日新聞記事 雑草生かす「鳥取方式」:http://www.asahi.com/edu/tokuho/TKY201009270184.html

雑草を含んだままの芝生だそうで、イメージは、一本松公園の野球場ですね。
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週1回ほどあれをもっと短く刈り込むそうです。ルンバの芝刈り機版が夜間自動でやってくれるでしょう。
②屋上緑化
マンションにしても学校にしても、最上階が一番暑いのは屋上面を直射日光が暖めるからです。太陽光は物に当たってはじめて熱に変わります。よって、屋上にテントを張るだけでもかなりの降温効果が見込めるのですが、どうせなら屋上も緑化を。芝生ではない地被類と軽量土で厚さ3cmほどでできる屋上緑化があるようです。安価に済ますならテント併用も。
③窓に布製巻上げ式サンシェイドを設置
庇(サンシェイド)の設置で「常設」を考えるから強風対応、積雪対応、耐久性・取付け強度などを考慮せねばならず高価になります。
強風、積雪 時に巻き上げてしまうと考えれば、仮設的なもので充分、遮熱効果をあげます。太陽光は物に当たってはじめて発熱しますので、室内のカーテンでは、室内で発熱させてしまいます。庇なら外側で太陽光を受け発熱させるので、室内に熱が入る前に風で熱を吹き飛ばしてくれます。
しかも、巻上げ式なら角度も自由。窓面前閉も可能です。冬の日当たりを妨げない。かつ、保水力のある布製なので、その庇に散水すれば、打ち水効果も。滴下させれば冷風扇効果も期待できます。
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④つる草:簡単な壁面外断熱
ツタを這わせる。日本の建築物はほとんどが内側断熱です。しかし、省エネに効果的なのは外側断熱です。しかしこれは施工が難しくコストが掛かります。その代替として建物外壁につる草を這わせる方法があります。何度も言うように太陽光は物に当たってはじめて発熱します。そのため外壁につる草があると、その葉に当たって発熱するため、建物の発熱を押さえると共に、水分を含んだ葉は、水分の蒸発によってそれほど温度上昇しません。寄って簡易的な外断熱効果を生みます。
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●教育の大きな話
子ども達にタフさを育てておいてやりたいと願う理由を、少し大きな視点で語ってみます。「これからの子はどんな夢を見うるのか?」という話です。
今の子ども達や若者は、「繋がりと目的の喪失」状態にあると言われています。
つながりの喪失とは、圧倒的で絶対的な繋がり「血縁や地縁」が縮小かつ希薄化したため、日々変化する儚いつながりの維持に常に気を使い続けなければ不安。既読スルー恐怖症がその象徴でしょう。
一方、目的の喪失とは、「夢・希望」の喪失です。
高度成長時代には、誰もが段々良くなる、段々豊かになる、豊かになれば幸せになれる、と思えました。実際、給与は年々上昇し、日本の地位も上がりました。いわば、明治だけでなく昭和でも日本人は司馬遼太郎の言う「坂之上の雲」を目指して登り続けてきたのです。
しかし、今の若者には「段々良くなる」という認識はないでしょう。人口減少と高齢化で経済発展の先細りが見込まれ、誰もが豊かになれるとは限らない格差増大の進行が予測されます。また、経済的に頂点を極めたはずの日本社会は、消して幸福社会ではなかった。豊かになれば幸福になれるというのも実は幻想だったという認識も若者の中には強まっています。そういう状況で、若者たちはどんな夢を見うるのか?
そんな中、ひとつの「兆し」を感じます。多くの若者が「人の役に立つこと」「他者貢献」を自身の存在意義として掲げる、つまり目標とし始めたと感じます。
多くの大学でボランティアバスが発着し、結構な学生が参加しました。海外旅行にもボランティアツアーというカテゴリーが出来、結構盛況です。(バックパックを背負って一人旅をした我々に比べれば、ツアーを組んでもらえないと動けない「弱さ」を感じる一方、我々は海外で自分の好奇心を満たしただけで、全くボランティアするとう発送はなかったので、その点では頭が下がります。)凛童舎にも「将来○○したいから」と目的をしっかり掲げて若者がボランティアに応募してくれています。
もちろん、それは一部の若者で、「悟り世代」といわれるように、「どうせ○○に決まってる」と動く前にあきらめているものも多く、2極分化がおきてはいます。
しかし、「もし夢を見るとしたら」それが可能にしておいてやりたいと思います。
意欲や使命感はあり、その能力もある、たとえば海外青年協力隊として海外の子ども達を救いたいと願ったとき。しかし「体がついていかない、環境のの過酷さに気力が持たない。」では夢が費えてしまい、生きる意欲を失いかねないと思います。
理想に向かって進む、それが生きる意欲、生きる力だと思うので。
「坂之上の雲」なき今、「水平線の向こうの雲」の下にいる人々と思い、海外に飛び出す。そんな夢をかなえることが出来る必須の素養「タフネス」をつけて置いてやることも教育の重要な目的だと思います。「勉強に集中できるように人工環境を整えれ学力が伸び、子ども達が幸福になる」というのは余りにも短絡的な発想に思えるのです。
学童クラブ「キッズコミュニティ凛童舎」代表 吉岡 秀記

 

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